称名寺のシイノキ
本堂横で大きく枝を広げるシイノキ
樹齢700年を超える
シイノキ
源頼朝が東征したあと、その功績として陸奥の地頭職に就いた千葉常胤の子孫である武石宗胤(のちの亘理氏)が乾元元年(1302)に、この地に光明院という寺を創建しました。光明院は天正19年(1591)に亘理氏とともに涌谷に移り、そのあとをうけたのが称名寺といわれています。現在、称名寺はシイの巨樹があることで有名です。推定樹齢が700年を超えるというこの巨樹は昭和18年(1943)、国の天然記念物に指定されています。
夏、2千年前の「大賀ハス」が咲く境内の池
鎌倉武士が亘理で
植えたと伝わる
シイノキ
シイノキの一般的な自生の北限は福島県いわき市といわれています。そのため称名寺のシイノキは、創建の頃、鎌倉武士の手によって持ち込まれたのでは、と伝えられています。高さ約14m、幹囲は地上1.6mのところで8m以上ある巨樹の姿は大迫力。このほか境内には、樹齢300年以上というスダジイもあります。シイノキに比べ幹などはひと回り小さいですが、若い分、樹勢が強く葉は青々と茂っています。こちらは平成24年(2012)に県の天然記念物に指定されています。
紅葉の時期、多くの木々が赤や黄色に色づき境内はいっそう華やかになります。
境内を鮮やかに彩る
季節の草花
称名寺では先代の住職が草花を好きだったこともあり、多くの花や樹木が境内に植えられています。春の梅、桜、初夏のツツジ、梅雨のアジサイ、秋の彼岸花、そして赤や黄色に色づく鮮やかな紅葉と、季節ごとの楽しみが尽きません。また、夏には仙台の野草園から分けられた、2千年前の古代ハス「大賀ハス」が見頃を迎えます。大きなシイノキを見たあとは、境内の季節の草花をゆっくり観賞するのもおすすめです。