亘理のアセロラ

さくらんぼのように赤く輝くアセロラの実

東日本唯一の稀少な
アセロラ園

亘理でアセロラの栽培をしている伊藤正雄さんが、その栽培を思い立ったのは25年以上前のことです。親戚がブラジルへ行く、ということを聞き「なにかよい作物があったら見てきて」と頼んだところ、おみやげ代わりに届いたのがアセロラでした。その後、試行錯誤を重ね、アセロラ栽培を拡充させていき、生産も安定してきました。しかし2011年3月、東日本大震災に遭い、伊藤さんのアセロラ園は壊滅的な打撃を受けてしまいます。

アセロラは、ビニールハウス内の温かな環境で栽培されています。

水没したアセロラを
見て落胆

鳥の海湾から300mしか離れていない伊藤さんの園地にも2mを超える津波が押し寄せてきました。ビニールハウスは全て津波にのまれ、苗は枯れ「これでは無理だ」と、伊藤さんは栽培をやめようと決断します。しかし、2か月後、アセロラのビニールハウスに入ってみると、枯れていた苗に新芽が出ていました。その強い生命力にふれた時、伊藤さんは「もう一度やってみるか」と気力がわいてきました。

我が子のようにアセロラをかわいがる伊藤さん

亘理ではアセロラの
生食が普通?

アセロラというと、レモンの10~30倍以上のビタミンCを含んだ果物というイメージがあり、主に加工品としてなじみがあります。伊藤さんのところでも、酢やジャムなどの加工品を作っていますが、実は生食用も扱っています。以前から産直施設などに生食用のパックを卸していることもあり、地元では「アセロラを生で食べる」というのが定着しています。さくらんぼのような食感でレモンほど酸っぱくなく、食べやすい果物なのです。

伊藤さんが手がけるアセロラの加工品。リピーターも多いです。

アセロラのおいしさ
を全国に届けたい

震災後、新芽をつけた数本の苗木から再開した伊藤さんのアセロラ栽培は、現在、震災前の7割以上にまで回復してきました。東日本唯一の栽培農家である伊藤さんは、今後もスーパーフード・アセロラを全国に広めていきたいと考えています。「アセロラを通じ、亘理の復興と豊かな大地のことを知ってもらえれば」伊藤さんはそんな思いも抱きながら、日々アセロラ作りに取り組んでいます。

※アセロラの収穫時期は、6月~7月上旬、8月上旬~下旬、10月~11月上旬の年3回となります。

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